Flora Prius310の大改造 (その2)


■ 改造計画

分解後の筐体・部品を調べながら、どういうPCに仕上げていくか、計画を練ります。


【LCD は使えるのか?】

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まず一番気になるのは、 LCDがこのまま使えるのか? ということです。
左の写真が Prius310L のLCD。
型番は TX38D12VC0CAA
データシートが乏しいと評判の日立製です。確かにググってみても ほとんど情報らしい情報がありません。一応スペック。 (※関連リンク)
  • 型番:  TX38D12VC0CAA
  • サイズ: 15.0 インチ
  • 解像度: XGA (1024x768), 4:3
  • バックライト技術: 1 CCFL
  • TFT アクティブマトリックス
色々調べてみた結果、にがAT さんのページを発見!ものすごく 中身の濃いページ ですが、LCD を使った改造記事にあふれていて、とても参考になります。
分かったこと。
  1. LCDの信号伝送方式には、 LVDS規格 と TMDS規格 があるらしい。
  2. 一昔前のLCDは、LVDSが一般的。
  3. LVDS信号のコネクタはあまり標準化されてない。 ピンアサインも結構バラバラ。
  4. LVDSをディスプレイ出力とする MB もあるが、KIOSK端末やPOS端末など 産業用基板 としての用途。高品質で耐久性もあるが、とても高い!!   (※参考価格)
  5. LVDS規格で出力できるグラボも産業用しかない。(当たり前か…)
どうやら、LCD に直接出力する MB/グラボ は無く、一般的な D-Sub端子 か DVI端子 から、LVDS信号に変換する必要がありそうです…


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にがATさんの情報を参考に詳しく調べたら、
aitendo という shop があるのを発見!!
以前は「CoCoNet液晶工房」という shop だったらしく、昔から「液晶自作キット」を売ってるようです。

aitendoのページの中に、 D-Sub 信号を LVDS信号に変換する という、まさに探し求めていた商品 BlueBaby   (型番:BB-LVDS16XGA) があるのを発見しました!!  (左の写真)

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ちなみに注文すると、箱の中には左のような部品一式と1枚ペラの説明図が 入ってます。 (この説明図がまた間違いだらけで…)

BlueBaby 基本キットの説明書をサイトで見ると、 標準で「 LVDS/1ch/6bit/XGA 」の信号規格に対応していて、 付属ケーブルは「 1.25mmピッチ20ピン 」とのこと。

TX38D12VC0CAA という LCD をもう少し詳しく調べてみます。
  • とてもコンサバな LCD
  • ケーブルはもっとも一般的な JAE 20p らしい。 「1.25mmピッチ20ピン (ヒロセ社DF14-20S-1.25C)」が使える。
  • ピンアサインも 一般的な JAE 20p 配置 らしい。   (※ にがATさんのページ参照)
  • 信号規格は「 LVDS/1ch/6bit/XGA
  • ロジック電圧は「5.0V
BlueBaby 基本キットの仕様とまさにピッタリ一致です。
懸案の LCD 再活用は、 BlueBabyキットを使う ことで、解決する見通しがつきました。


【マザーボードとCPUは何にするか?】

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LCD の再活用の目処が立ったところで、 マザーボード(MB) と CPU を選定することにします。
最も注意すべきは、 サイズ です。

左図のように、筐体フレームと裏蓋とのはまり具合いを調べて、 最大のMBサイズを測定します。

実測値は、横方向 (260mm)×縦方向(220mm) となりました。

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次に深さ方向を実測します。左図のように裏蓋は2段構造になっていて、
  • 基板から中央までの深さが 65mm
  • 中央から背面までの深さが 55mm
でした。このサイズに収まるMBは、
  • MicroATX  ( 244mm×244mm )
  • MiniITX  ( 170mm×170mm )
になります。
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つぎに重要な項目は、MBの長辺をどちらに向けるか? です。 MBの背面側を筐体の上辺や下辺に持ってくると、 MBの端子を外に出せなく なります。

筐体の右側にはスチール製の鉄板が打ち付けてあり、加工するのが困難です。 そこで、左図のように、MB背面を筐体左側に配置して、裏蓋左側をくり貫いて MBの端子を外に出すようにします。

ということで、MBは右回りに90度回転 させて配置することにします。

大抵のMicroATXは、長辺サイズが「244mm」短辺サイズが244mmより短くなっています。 今回は長辺が縦方向「220mm」のサイズに収まる必要があり、 あまり選択肢はありません。

一方、MiniITXは、170mm×170mm ですから縦方向(220mm)に収まります。 ですが、MicroATXに比べて若干値段高め。またMB面積が狭いので、 基板上のコネクタ数にも制限があります。(例えば SATA が2つとか、IDEが無いとか)

次に問題になるのが、CPUをマウントした状態での深さ(高さ)です。
実測では、MB基板面から、深さ(高さ) 65mm しか余裕がありません。 「基板−CPU−FAN」で 65mm 以内に収まるような CPU・FAN と言えば、 低消費電力タイプ になります。
丁度このPCは「LCDデスクトップ一体型」ですから、 静音性・低消費電力 にもこだわりたいところです。

色々調べたところ、 Athlon II X2 Dual-Core 240e BOX   (※¥5,080 で購入 → 参考価格)
であれば、 リテールFAN込みの高さ= 45mm に収まることが分かりました。

CPUは Athlon II X2 低消費電力タイプで決まりです。 となると、MBも SocketAM3 タイプ で選ぶことになります。
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色々探した結果、今回は 長辺サイズが 216mm しかない MicroATX マザー
ASRock, N68-VS3 UCC    (※¥4,480 で購入 → 参考価格)   にしました。 このMBの特長は、
  • とってもコンサバ
  • SocketAM3, DDR3 1600
  • SATA×4 の他に、IDE×1 も付いている
  • COM, LPTポートあり
でしょうか。とってもコンサバなので、古い端子が色々付いている Prius310L には 最適かもしれません。


【小型SFX電源を選ぶ】

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筐体内に納めるために、もう1つ重要な部品、 電源があります。

取り出した「特殊サイズ」のオリジナル電源は AT電源 でした。今回のMBには使えません。新たにATX規格の電源を 探す必要があります。
左図のように、裏蓋背面にスッポリ収まるサイズ「深さ55mm」を探します。

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アキバを探しまわって見つけたのがコレ(左図)。
小型のSFX電源で、 HEC, miniQ 350W, HEC-350FC-TF   (※¥4,280 で購入)
サイズは幅100×奥行き125×高さ63.5mm
55mm に対して多少はみ出しますが、コレくらいなら吸収できます。
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ファンガードが真鍮製で キンピカ。結構カッコイイです。


【その他の部品を揃える】

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雨の日特価 「2GB×2 =¥1,880円」 で売ってた「DDR3, 1600」メモリ

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HDD → ウチに転がってた「 Western Digital, WDC WD50 00AAKS-00TMA, 500GB, SATA2, 7200rpm」

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中古(¥2,380)で売ってた スロットイン型の SLIM DVDドライブ。IDEタイプ。 TEAC, DV-W28SLZ (slot-in type, black)


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