Flora Prius310の大改造 (その3-3)


■ 改造作業(3)

最難関の LCD制御基板の配線 をしていきます。


【LCDケーブルの調査】

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まずは元々の LCD ケーブルの調査から開始します。
これが、LCDパネルを外した、筐体側のケーブルです。 左側の緑色の部分が 明るさ(輝度)の手動制御(ボリューム) 用の基板。
本体上部から基板につながっているケーブルが、 「MBと輝度制御基板を接続するケーブル」で、 基板下部から延びているケーブルが、 「LCDのインバータ基板に接続するケーブル」です。
LCDパネルには別のケーブルがもう1本付いていて、 LVDS信号用のJAE/20pinケーブル です。
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筐体(MB取り付け位置)から見たLCD用ケーブルです。
右側が LVDS信号用ケーブル。今回このケーブルは、 BlueBaby 基板付属の 新しいケーブルと置き換える ので、不要になります。

左側は「MBと輝度制御基板を接続するケーブル」です。問題は このケーブルの信号線が分からない。

仕方がないので、輝度制御基板とインバータ基板を にらめっこし、さらには 元のMB, AT電源, LCD を 床の上で組み直しテスターで計測し、ようやく左図のような信号線だと分かりました。

写真の通り、 かなり変態な配線になっています。 通常、ATX準拠のPCだと
赤(+5V)、黄(+12V)、橙(+3.3V)、黒(GND)相場が決まって
います。

が、このケーブルは、2本の黄色ケーブルに、 +5V と +12V を乗せていて超紛らわしい ことこの上ありません。

また、白色ケーブルは、「MBからの輝度制御信号」に なっているようです。輝度制御基板側の接続先を見てみると、 この信号線と「可変抵抗(手動で回せる輝度ボリューム)」を ミキシングして、 LCDインバータの輝度制御信号としていると分かりました。
テスターで調べてみると、輝度制御信号は、0V〜+3Vの電圧の違いで 変化させているようで、どうやら 可変抵抗だけでも輝度制御はできるようです。
この白ラインは どこにも結線しない ようにした方が良さそうです。(結線するなら PULL-UP しないといけないっぽい)

結論。このケーブルには、 +5V, +12V, GND の3つを供給 してやればよさそうです。配色が変態なので、絶対に電圧を間違えない ことに注意が必要です。


【BlueBaby基板の配線】

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D-Subのディスプレイ信号をLVDS信号に変換する基板「BlueBaby」を配線します。
左図のように1枚ペラの説明書がついていますが、 間違いがあります。
OSD基板との接続ケーブル端子の取り付け位置が、 1列ずれています。 メイン基板の裏側シルク印刷を見ながら、正しいコネクタ位置で 接続する必要がありました。 (そもそも、ケーブル端子と基板コネクタのピン数が合ってないのも問題だけど)

また今回、インバータ基板は元のLCDについている4極用を再利用するので、 BlueBaby付属の1極用インバータ基板は使いません。

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MBのD-Sub端子からの引き込みは、まず、D-Subディスプレイケーブルの片方の被膜を できるだけ削り取り、ケーブルを U字型に折り曲げて、ホットボンドで固めます。

もう片方は左図のようにアクリル版と筐体の間(隙間)に遠し、BlueBaby 基板まで引き込みます。

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これがD-Subケーブルを引き回した図です。余ったケーブルもアクリル板の後ろに入れ込みます。

BlueBaby基板には、LVDS/20pinケーブルを取り付けてあります。ケーブルの対端は、 筐体の穴を通して、LCDパネル取り付け面に引き回します。

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BlueBabyとD-Subケーブルとの接続はこんな感じです。

また、BlueBaby基板右下は電源供給コネクタ。これも 変態配色で、
赤2本(+12V), 黄2本(GND)
となってます。SFX電源コネクタの+12Vから直接取り込みます。

また、SFX電源のコネクタから「+12V, +5V, GND」を取り出し、 元々のMBからの輝度信号ケーブルに半田付けしておきます。

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OSD基板は、筐体右側(正面から左側)の「くぼみ」に貼付けます。元のD-Sub端子穴から OSD接続ケーブルを引き出して、BlueBaby基板と接続しておきます。この時、 1枚ペラの説明書には間違いがあるので、 BlueBabyメイン基板裏のシルク印刷を頼りに、正しい位置に配線します。
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BlueBaby基板の LVDS信号ケーブルは、LCDパネル面に引き回して LCDパネル裏の制御基板に接続します。こちらは JAE/20pin なので、 間違えることなく接続できます。

輝度調整基板から出ているインバータ制御ケーブルも、 LCDパネル裏のインバータ回路基盤に接続します。
LCDパネルを筐体にネジ留めすれば、LCD周りは完成です。

左図は、CPUなどをマウントした後に、試験的に電源投入してみたところです。 驚くほど鮮明に表示されました!
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ちなみに OSD画面を表示してみたところです。
最初に AutoAdjust で調整すれば、あとは手動で修正する必要は全くありませんでした。


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